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冬の堤防釣りで釣れる魚と防寒対策 ― 釣果が落ちる時期の考え方

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冬の晴れた日の昼、防寒着の上にライフジャケットを着けた人が、柵の内側から短い竿で足元の海を見ている様子

海の水がいちばん冷たくなるのは、真冬の1月より少し遅れた2〜3月ごろという地域が多くあります。

たとえば、第八管区海上保安本部の資料(2016年)によると、日本海西部沿岸の平均海面水温(気象庁、1981〜2010年の平均)は、1月が13〜14℃、2〜3月が11〜12℃でした。

陸では梅の花が咲き始めても、海の中はしばらく冬のままで、魚の動きの鈍さも、落ちたときの水の冷たさも、春先まで続きます。

冬の堤防では、「冬でも狙える魚を選ぶこと」と「冷えと落水から身を守ること」を、同じ重さで考える必要があります。

目次

冬に釣果が落ちる理由

群れで回遊する魚が、岸から離れる

夏から秋にサビキでよく釣れるアジ・イワシ・サバは、群れで海を回遊する魚です。

水温が下がると、群れは沖や深い場所へ移りやすくなり、足元にコマセをまいて群れを待つ釣り方が通じにくい日が増えます。

砂地のキスや、内湾のハゼも、冬はやや深い場所へ移ります。

サビキで数を釣る時期の目安はサビキ釣りのやり方で扱っており、冬は地域によって群れが残る年もあります。

岩場に居着く魚は、冬も残る

一方で、カサゴやメバルは岩場や海藻のまわりに居着く根魚(ねざかな)で、冬も同じ場所にいます。

赤褐色のまだら模様で背びれにトゲが並ぶカサゴが、海藻の付いた岩の上に置かれている様子

どちらもお腹の中で卵をかえして子どもを産む魚で、12〜2月ごろが稚魚を産む時期にあたります。

釣りができる日と時間そのものが減る

冬は日の入りが早く、明るいうちに釣りができる時間が夏より短くなります。

冬型の気圧配置になると、日本海側を中心に強い北西の季節風が吹きやすく、風と波で、堤防に立てない日が続くこともあります。

冬は、釣りを休む人も多い季節です。

冬の釣りは、群れが来るのを待つより、魚が居着いている場所をこちらから探しに行くと考えると、狙いが決めやすくなります。

冬の堤防で狙いやすい魚

魚釣り方時間帯の目安ひと言
カサゴ穴釣り(ブラクリ仕掛け)日中でも狙える足元のすき間を移りながら探る
メバルメバリング、ウキ釣り夕方〜夜11〜4月ごろがハイシーズンの目安
アジアジング夜(常夜灯のまわり)数は秋より減るが、大きめが混じることもある
カレイ(マコガレイなど)投げ釣り、ちょい投げ日中初冬と3〜4月が目安で、地域差が大きい
アイナメ穴釣り、探り釣り日中主に寒い地方で、冬〜春に狙われる

初めての冬の釣りに選びやすいのは、日中に足元で狙えるカサゴの穴釣りです。

ブラクリ仕掛けの使い方と、消波ブロックで起きている事故は穴釣りのやり方で扱っています。

夕方から夜のメバルとアジは、竿が似ていても巻き方が違うので、道具をそろえる前にメバリング入門とアジング入門を見比べておくと無駄が出ません。

冬の日暮れ後の青く暗い時間帯、常夜灯の下の堤防で、防寒着とライフジャケットにヘッドライトを着けた人が夜釣りの竿を構えている様子

カレイは砂地の底を狙う魚で、ちょい投げ釣り入門の天秤仕掛けと同じ考え方で狙える地域もあります。

アオリイカは冬に深い場所へ移るため、岸からのエギングは春の大型を待つ地域が多く、春に合わせたエギの号数はエギング入門で選べます。

12〜2月の釣り物が、3月以降にどう入れ替わっていくかは堤防で釣れる魚の月別カレンダーで追えます。

時間帯は「日の高い昼」と「夕方〜夜」に分けて考える

冬の釣りは、狙う魚によって出かける時間帯がはっきり分かれます。

カサゴの穴釣りやカレイの投げ釣りは、日が高く、気温も上がる昼前後に出かけると、体の負担が小さく、足元も見やすい時間に釣りができます。

メバルやアジのルアー釣りは夕方から夜が中心ですが、冬の夜は特に冷え込みが強く、足元も暗くなります。

初めての冬の夜釣りは、日の入りの少し前に着いて、暗くなってから1〜2時間で切り上げるくらいの短い計画から始めます。

立入禁止や夜間閉鎖の掲示がある場所には入らず、現地の掲示と管理者の指示に従います。

冬の夜に1人で堤防へ出ると、落ちたときや体が冷えきったときに助けを呼んでくれる人がいないので、できるだけ2人以上で出かけ、1人のときは行き先と帰る時刻を家族に伝えておきます。

防寒は「風・足元・手先・汗」の4つから

肌着・中間着・上着の重ね方は、堤防釣りの持ち物と服装チェックリストにある冬〜春の表が目安になります。

ここからは、冬の堤防で特に冷えやすい4つのところと、その対策です。

風:さえぎるもののない堤防では、体温が奪われやすい

堤防の上は、建物や木がなく、海から吹く風がそのまま当たります。

曇り空の冬の堤防で、防寒着にネックウォーマーとライフジャケットを着けた人が、海風の吹く中で竿を持っている様子

いちばん外側に、風を通さない上着を1枚着ると、中に着たフリースやダウンの温かさが逃げにくくなります。

首と頭からも体温が逃げやすいので、ネックウォーマーとニット帽を足します。

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釣り座を選ぶときは、風を背中に受けられる向きや、堤防の内側の風が弱い場所を選ぶと、同じ気温でも冷え方が変わります。

足元:冷たいコンクリートと、凍った足場

堤防のコンクリートは冷えきっていて、立っているだけで足の裏から冷えが伝わります。

厚手の靴下と靴底の厚い防寒ブーツが、冷たいコンクリートの堤防の上に置かれている様子

厚手の靴下を重ね、中が冷えにくい防寒用の長靴やブーツにすると、長く立っていても足先がかじかみにくくなります。

冬の朝は、濡れた堤防や水たまりが凍って滑りやすくなっていることがあります。

靴は、温かさだけでなく、滑りにくい靴底かどうかも合わせて選びます。

手先:動かせる指を残す

冬の釣りで特に困りやすいのは、手がかじかんで、仕掛けを結んだり針を外したりできなくなることです。

指先の出る手袋なら、手袋をはめたまま糸を扱え、休んでいる間は上から厚手の手袋を重ねると温かさを保てます。

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指先の出る防寒手袋をはめたまま、釣り糸を扱っている手元

濡れた手は一気に冷えるので、魚や海水に触ったらすぐにタオルで拭きます。

使い捨てカイロは、貼るタイプを腰や背中に、貼らないタイプをポケットに入れておくと、手を温めながら釣りができます。
肌に直接当てたり、同じ場所に長く当て続けたりすると低温やけどのおそれがあるので、使い方はカイロの袋の注意書きに従ってください。

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汗:歩いた後の冷えに気をつける

駐車場から堤防の先まで荷物を持って歩くと、冬でも汗をかきます。

汗で濡れた肌着は、止まって釣りを始めたとたんに体を冷やします。

綿の肌着は乾きにくいので、吸湿・速乾性のある肌着を選び、着いてすぐは上着の前を開けて汗を逃がしてから、釣りに合わせて閉じます。

冬の釣りで持ち物に足したいもの

夏と同じ持ち物に、冬は次のものを足します。

  • 温かい飲み物を入れた保温ボトル:休むたびに体の中から温められる
  • ヘッドライトの予備の電池:寒さで電池の減りが早くなることがある
  • 乾いたタオルを2枚以上:濡れた手を拭く分と、仕掛けや魚を扱う分を分ける
  • 着替えの肌着と靴下:汗や波しぶきで濡れたときに、帰り道で冷えないように
  • スマートフォンの防水ケース:連絡手段を濡らさず、すぐ取り出せる場所に入れる
保温ボトル、貼るカイロ、タオル、予備の手袋が木のテーブルに並べられた冬の釣りの持ち物

冬の海に落ちたときの危なさ

第八管区海上保安本部の資料(2016年)では、管内で海に落ちた人の死亡率が、1〜3月は60%、6〜9月は44%でした(2011〜2015年の管内統計)。
原因として、冷たい海水によるパニック、意識の低下、低体温症が挙げられています。

第九管区海上保安本部の「海の安全情報」(2023年11月号)は、米国沿岸警備隊のデータとして、水温5〜10℃では意識不明に至るまでの時間の目安が30分〜1時間、10〜15℃では1〜2時間と紹介しています。

冬の重ね着は、水を吸うと重くなり、泳ぐのも岸に上がるのも難しくなります。

海上保安庁は、海での「自己救命策確保の3つの基本」として、次のことを呼びかけています。

  • ライフジャケットを常に着ける(浮力を確保する)
  • 防水パックに入れた携帯電話などで、連絡手段を確保する
  • 海の事件・事故は118番(海上保安庁の緊急通報用電話番号)に通報する

第八管区海上保安本部の資料でも、1人で行動せず、複数人で釣りをすることが呼びかけられています。

冬の重ね着の上から着けるライフジャケットは、厚着のまま試着してサイズを選びます(試着で見るところは釣りにライフジャケットは必要?)。

出かけるのをやめる・切り上げる目安

強風や波浪の注意報・警報が出ている:前日と当日の朝に、気象庁の天気予報と注意報・警報を確かめます。
波が足場を洗っている、しぶきをかぶる:波をかぶる高さの場所には立ちません。
足場が凍っている、霜で白くなっている:日が当たって溶けるまで待つか、その日は場所を変えます。
体の震えが止まらない、指先がうまく動かない:冷えすぎのサインなので、車や暖かい場所へ移って休みます。
暗くなってきた:冬は日の入りが早いので、帰る時刻を明るいうちに決めておきます。

震えが強い、意識がぼんやりする、ろれつが回らないといった様子が見られるときは、迷わず119番に連絡します。

海に落ちた人がいるときや、船・海の上の事故は118番(海上保安庁)、陸の上で震えや意識のぼんやり、ろれつが回らないといった体調の悪い人がいるときは119番(救急)と使い分けます。

冬の釣りでよくある疑問

冬でもサビキで釣れることはありますか?

地域や年によっては、冬もアジやイワシの群れが岸の近くに残り、サビキで釣れることがあります。

ただ、夏〜秋のように毎日安定して群れが入るとは限らないので、近くの釣具店や海釣り施設の釣果情報で、直近に釣れているかを確かめてから出かけます。

防寒着は、釣り用のものでないとだめですか?

釣り用でなくても、風を通さず、水しぶきをはじく上着であれば、冬の堤防で使えます。

釣り用の防寒着は、袖口から水が入りにくい、動きやすいなど、釣りの動作に合わせた作りになっているものが多いのが違いです。

最初は手持ちの防寒着を重ね着で試し、足りないところから買い足せば十分です。

冬は、春に向けた下見と準備の季節でもある

冬の釣行は、釣果だけで考えると割に合わない日もあります。

それでも、風の弱い日の昼に1〜2時間だけ竿を出せば、春に通いたい堤防の足場・常夜灯・駐車場の場所を、人の少ないうちに確かめておけます。

家にいる日は、春に使う仕掛けを作ったり、釣りの結び方を手元で練習したりする時間に回せます。

冬に一度でも足を運んだ釣り場は、水温が上がって魚が戻ってくる春に、迷わず竿を出せる場所になります。

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この記事を書いた人

堤防釣りの始め方・釣り方と仕掛け・魚種と季節・道具と安全を、釣具メーカーや釣具店、釣り施設、公的機関の公開情報をもとに調べ、比較・整理して発信している編集担当です。迷ったときに1記事で答えが出る形を心がけています。

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