釣具店の竿売り場では、竿の根元に「270」「86ML」「錘負荷10〜25号」といった数字と記号が並んでいます。
値札より先に見てほしいのは、この数字です。
長さ、硬さ、そしてその竿で投げてよい重さが、ここに書かれています。
竿は「釣り方」で決まり、リールは「竿」に合わせて決まります。
どんな釣りにも合う万能の1本はありません。
そのかわり、釣り方を1つ決めれば、見るべき数字はかなり絞れます。
釣り方が変わると、竿に求められる役割が変わる
主な釣り方と、竿・リールの目安
堤防で始めやすい釣りについて、竿の長さとリールの大きさの目安を並べました。

| 釣り方 | 竿の長さの目安 | 表示で確かめるところ | リールの大きさ(番手)の目安 |
|---|---|---|---|
| サビキ釣り | 3〜4m前後 | 磯竿・万能竿などの振り出し竿 | 2500〜3000番前後 |
| ちょい投げ | 2〜3m前後 | 適合オモリ・適合ルアー重量 | 2500〜3000番前後 |
| 穴釣り | 1〜1.8m前後 | 短く、穂先がしなやかなもの | 小型のスピニングか小型の両軸リール |
| アジング | 5〜6.5ft前後 | 1g前後のジグヘッドが投げられる表示 | 1000〜2000番前後 |
| メバリング | 7〜8ft前後 | 柔らかめ(UL〜L) | 2000番前後 |
| エギング | 8ft前後 | 適合エギ号数(3.5号が使えるか) | 2500〜3000番前後 |
仕掛けを足元に落とすサビキはサビキ釣りのやり方、砂地を探るちょい投げはちょい投げ釣り入門に、竿以外の道具も含めた一覧があります。
軽いルアーの釣りはアジング入門・メバリング入門・エギング入門で、それぞれの道具の目安を扱っています。
1本で兼ねられる組み合わせ、兼ねにくい組み合わせ
サビキとちょい投げは、竿の長さや硬さが近いものが多く、竿に書かれた適合オモリの重さが合えば、1本で両方を試せる場合があります。
一方、1g前後のルアーを投げるアジングの竿と、10g以上のオモリを投げる竿とでは、作りがまったく違います。
軽いルアーを硬い竿で投げると飛ばず、重いオモリを柔らかい竿で投げると、竿を折る原因になります。
「万能竿」と書かれた竿なら、どの釣りにも使えますか?
「万能竿」は、エサ釣りに幅広く使える振り出し竿の呼び名として使われることが多い言葉です。
サビキやウキ釣りなどには使いやすい一方、軽いルアーを扱う釣りまで1本でこなせるわけではありません。
名前より、竿に書かれた長さと、投げられる重さの表示で判断してください。
竿の表示を読む ― 長さ・硬さ・投げられる重さ
長さ:mとft(フィート)の2つの書き方がある
エサ釣りの竿は「2.7m」「270」のようにメートルで、ルアーの竿は「8ft」のようにフィートで書かれていることが多くあります。
1ftは約30.5cmなので、8ftはおよそ2.4mです。
ルアーの竿は、品番の「86」が8フィート6インチ(約2.6m)を表すなど、数字の並びで長さを示している商品が多く見られます。
長い竿は遠くへ投げやすく、足元の岩や消波ブロックの先まで仕掛けを届かせられます。
短い竿は軽くて取り回しがよく、穴釣りのように真下を探る釣りや、混んだ堤防で周りとぶつかりにくいのが利点です。
硬さ:ルアーの竿は記号、磯竿は「号」
ルアーの竿の硬さは、UL(ウルトラライト)・L(ライト)・ML(ミディアムライト)・M(ミディアム)のような記号で示されます。
ULに近いほど柔らかく、軽いルアーを投げやすくなり、Mに近づくほど重いルアーや大きな魚に向きます。
磯竿は、硬さを「1号」「1.5号」「3号」のような号数で表し、数字が大きいほど強い竿です。
ここでいう竿の「号」は糸やオモリの号数とは別のもので、同じ「号」でも意味が違う点に気をつけます。
振り出し竿と継ぎ竿:持ち運び方で選ぶ
竿のつくりには、アンテナのように伸び縮みする振り出し竿と、2〜3本に分かれた竿をつなぎ合わせる継ぎ竿があります。

振り出し竿は縮めると短くなり、電車や小さな車でも運びやすいので、サビキや万能竿に多いつくりです。
継ぎ竿は、ルアーの竿や投げ竿、船の竿に多いつくりです。
振り出し竿は、穂先から順にまっすぐ引き出し、継ぎ目を軽くひねりながら止めます。
しまうときは元の太い側から順に縮め、細い穂先を最後にして折らないようにします。
投げられる重さ:いちばん見落としやすく、いちばん大事な表示
竿には「適合ルアー重量 5〜20g」「錘負荷 10〜25号」のように、その竿で扱える重さの範囲が書かれています。
範囲を超える重さを全力で投げると、竿が折れることがあります。
オモリの号数は1号がおよそ3.75gなので、たとえば5号のオモリは約19gです。
竿を選ぶときは、使いたい仕掛けやルアーの重さが、この範囲の真ん中あたりに入るかどうかを見ます。
範囲の端ぎりぎりの重さばかり使うと、投げにくく、竿にも負担がかかります。
リールの「番手」は、大きさと巻ける糸の量
初心者がスピニングリールから始める理由
岸からの釣りで使うリールは、大きくスピニングリールと両軸リール(ベイトリール)に分かれます。

スピニングリールは、糸を巻き取る輪(ベール)が回るつくりで、軽い仕掛けやルアーを投げやすく、糸が絡むトラブルも起きにくいのが特徴です。
両軸リールは巻き取る力が強い一方、投げるときに糸の出る量を指で調整する慣れが要り、糸が絡まりやすい面があります。
リールの種類は、サビキからエギングまで、ここで挙げた釣りのほとんどがスピニングリールで足ります。
ただし大きさ(番手)は、アジングの1000〜2000番前後からサビキ・エギングの2500〜3000番前後まで釣り方で変わるので、1台ですべてを兼ねられるわけではありません。
数字が大きいほど、本体も巻ける糸の量も大きくなる
スピニングリールの「1000番」「2500番」「4000番」といった数字が番手で、リールの大きさを表します。

ダイワの初心者向け解説では、2000番までを小型、4000番までを中型、5000番以上を大型と呼ぶのが一般的だとしています。
番手が小さいほど、巻ける糸の量が少なく、扱う糸も細くなります。
リールの糸を巻く部分(スプール)の近くには「ナイロン 3号-150m」のように、どの太さの糸を何m巻けるかが書かれているものが多くあります。
糸を巻く量の目安は、スプールの縁から2〜3mm手前までです。
巻きすぎると投げたときに糸がまとめて飛び出して絡み、少なすぎると飛距離が落ちます。
竿に対して大きすぎるリールは、重さが手元にのしかかる
大きいリールほど丈夫で糸もたくさん巻けますが、そのぶん重くなります。
柔らかく軽い竿に大きなリールを付けると、手元ばかりが重くなり、竿先の小さな変化が伝わりにくくなります。
迷ったら、竿の長さと硬さに合わせて、表の番手の範囲から選びます。
サビキやちょい投げなら、2500〜3000番前後のスピニングリールが合わせやすい大きさです。
ドラグとハンドルの向きを、買ったときに確かめる
リールには、魚が強く引いたときに糸を少しずつ送り出して、糸が切れるのを防ぐドラグという仕組みがあります。
ダイワの解説では、緩めすぎると糸が巻き取れなくなり、締めすぎると糸の出が悪くなって竿や糸に負担がかかるとしています。
調整の目安は、竿にリールを付けて糸を強く引き、竿が十分に曲がったところで糸が少しずつ出るくらいです。
ハンドルは左右付け替えられるものが多く、利き手で竿を持つなら反対の手で巻く向きにすると、投げたあと持ち替えずに巻き始められます。
釣具店で選ぶときの手順
「堤防でアジをサビキで」「冬の夜にメバルをルアーで」のように、魚と釣り方を1つに絞ります。
ここが決まらないと、竿の長さも硬さも決められません。
使いたい仕掛けやルアーの重さが、適合オモリ・適合ルアー重量の範囲の真ん中あたりに入る竿を候補にします。
店頭で竿にリールを付けさせてもらい、構えたときに手元が重すぎないか、竿先が下がりすぎないかを確かめます。
リールに巻く糸は、釣り方によってナイロン・フロロカーボン・PEを使い分けます。
ナイロン・フロロカーボン・PEの伸びや沈み方の違いは、釣り糸(ライン)の種類と選び方の比較表にまとめています。

初心者セットで始めるか、単品でそろえるかの費用の差は、釣りの初期費用はいくら?で金額の幅を出しています。
どの釣りから始めるか自体を迷っている場合は、ルアー・サビキ・ちょい投げの違いの診断から入る方が近道です。
店頭で確かめておくこと
- 収納したときの長さ(仕舞寸法):車や電車で運べる長さか。
振り出し竿は短く縮むものが多い - 糸を通す輪(ガイド)に割れや欠けがないか:割れていると糸が傷つき、切れる原因になる
- リールのハンドルを回したときの感触:引っかかりや異音がないか
- 竿とリールを合わせた重さ:半日構えていても疲れにくいか
竿とリールの値段は、入門向けから上位のモデルまで大きな幅があり、店や時期でも変わります。
値段の差が出やすいのは、軽さ・感度・長く使ったときの丈夫さで、値段で釣れる・釣れないが決まるわけではありません。
売り場で最初に見る数字
竿を手に取ったら、根元の表示から「投げてよい重さ」を探してください。
その数字の範囲に、これから使う仕掛けやルアーの重さが収まっていれば、1本目の大きな失敗の多くは防げます。
読めない表示があれば、竿を持ったまま店員に「この竿でこの仕掛けは投げられますか」と聞いてみてください。
答えと一緒に、その表示の読み方も教えてもらえるはずです。



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