メバルは、名前のとおり目が大きく、夜になると活発に動く魚です。
釣り人の間では昔から「メバルは上を見ている」と言われ、頭の上をゆっくり通るものに反応しやすいことが、軽いルアーを海面近くでゆっくり巻くメバリングの基本につながっています。
狙い目は冬から春の夜で、ほかの釣り物が少なくなる時期にも、堤防から狙える魚の一つです。
道具はアジングと近いものの、魚の居場所と巻き方がはっきり違います。
その違いを知っておくと、同じ竿でも釣り方を切り替えられるようになります。
メバルはどんな魚か
メバルは、岩場や海藻の茂る浅い場所を好み、夜に小魚やエビなどを食べる魚です。

以前は1種類と考えられていましたが、2008年の研究でアカメバル・クロメバル・シロメバルの3種に分けられました。
3種は胸びれのすじの数などで見分けられ、アカメバルは海藻の茂る場所に多く、クロメバルは外洋に面した場所、シロメバルは内湾に多い傾向があります。
釣りの世界では今も3種をまとめて「メバル」と呼ぶことが多く、釣り方はほぼ同じです。
メバルはお腹の中で卵をかえしてから子どもを産む「卵胎生」の魚で、12〜2月ごろに稚魚を産みます。
「春告魚(はるつげうお)」とも呼ばれ、春の訪れとともに釣り物として名前が挙がる魚です。
メバリングの時期と時間帯の目安
時期は11〜4月ごろがハイシーズン
メバルは岩場に居着く魚で、本田技研工業の釣り情報サイトの魚図鑑では「周年釣れる」とされています。
そのうえで、同じ図鑑では11〜4月ごろがハイシーズンとして紹介されています。
稚魚を産む12〜2月も、この期間の中に入ります。
釣れ始めと終わりの時期は地域で前後します。
メバル以外の冬〜春の釣り物も、堤防で釣れる魚の月別カレンダーで月ごとに並べて見られます。
時間帯は日没後、波の穏やかな夜
狙う時間帯は、日の入り前後の薄暗い時間から夜にかけてが中心です。
常夜灯のまわりは、光に集まる小魚を追ってメバルが浮きやすく、初めてでも狙う場所を決めやすくなります。
常夜灯がなくても、岩場や海藻の茂る場所の際、堤防の角、船の陰などの流れや暗がりに変化のある場所にメバルがつきます。
釣り人の間には「メバル凪(なぎ)」という言葉があり、波と風の穏やかな夜が狙いやすい目安として使われてきました。
堤防のどこを狙うか
同じ堤防でも、メバルがつきやすい場所はある程度決まっています。

| 場所 | 狙い方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 常夜灯の明暗の境目 | 暗い側から明るい側へ横切るように巻く | 周りの釣り人と投げる向きを合わせる |
| 堤防の角・先端 | 潮が当たる側の際を、岸と平行に巻く | 先端は風と波を受けやすい |
| 岸壁の際・敷石の上 | 竿先を下げ、際ぎりぎりを通す | 足元をのぞき込みすぎない |
| 海藻の茂る浅場 | 海藻の少し上を、ゆっくり巻く | 引っかけたら無理に引かない |
消波ブロックのまわりもメバルがつく場所ですが、ブロックの上に乗って釣るのは足場が不安定で危険です。
狙うときは、平らな堤防の上から、ブロックの際へ向けて投げます。
アジングとの違い
| 比べる点 | アジング | メバリング |
|---|---|---|
| 魚の動き | 群れで回遊し、いる深さが変わりやすい | 岩場や海藻の近くに居着き、上を見ている |
| 主な動かし方 | 小さくあおって沈める動きも多く使う | 一定の速さでゆっくり巻く(ただ巻き)が基本 |
| 竿の長さの目安 | 5〜6.5ft前後 | 7〜8ft前後(約2.1〜2.4m) |
| 使うルアー | ジグヘッド+ワームが中心 | ジグヘッド+ワームに加え、小型のミノーやシンキングペンシル |
| アタリの出方 | 「コツッ」と小さく出ることが多い | 「グッ」と重くなる、引き込まれることが多い |
どちらの竿も「ライトゲーム用」として売られていることが多く、1本の竿でアジとメバルの両方を狙う人も少なくありません。
同じ竿でアジを狙う日は、アジング入門の手順のように、小さくあおって沈める動きを混ぜて探ります。
道具とルアー
竿・リール・糸
竿は、長さ7〜8ft前後のメバリング用かライトゲーム用で、1〜2gのジグヘッドが投げやすい柔らかめ(UL〜L)のものが目安です。
少し長めの竿を使うのは、ゆっくり巻くルアーを遠くまで投げ、岸の際まで泳がせやすくするためです。
リールは小型のスピニングリールで、2000番前後が合わせやすい大きさです。
UL・Lといった硬さの記号や、7ftなど長さの表示の読み方は釣り竿とリールの選び方にまとめています。
糸はフロロカーボンかナイロンの3〜4lb前後、またはPEの0.3〜0.4号前後にフロロカーボンの先糸を結んで使います。
岩や海藻の多い場所では、細すぎる糸はこすれて切れやすいため、根の荒い場所ではやや太めにします。
PEに先糸をつなぐときは、電車結びでは結び目が滑って抜けやすいため、FGノットなどPE向けの結びを使います(結びの基本は釣りの結び方)。
結びに自信がないうちは、先糸の要らないフロロカーボンかナイロンだけで始めると、結ぶ手間が1つ減ります。
フロロカーボンとPEのどちらにするか迷ったら、釣り糸(ライン)の種類と選び方の比較表が判断の助けになります。
ジグヘッドとワーム
ジグヘッドは1〜2g前後を中心に、重さ違いを数種類持っていきます。
重いほど投げやすく沈むのも速くなり、軽いほどゆっくり漂わせられるので、風や深さで使い分けます。
ワームは2インチ(約5cm)前後の、尾の細いピンテール形が定番です。
色は、常夜灯の下でも暗がりでも見えやすい白系を最初の1本にすると、ほかの色に替えたときの反応の違いを比べる基準にできます。

ワームが針に曲がって刺さっていると、泳ぎが乱れて食いが悪くなります。
小型のプラグ(ミノー・シンキングペンシル)
ワームのほかに、長さ5cm前後の小さなミノーやシンキングペンシルも、メバリングでよく使われます。

ジグヘッドと同じく、ゆっくり巻くだけで泳ぐので、海面近くを広く探りたいときに便利です。
針が2〜3本付いているぶん、岩や海藻に引っかけると外しにくく、なくしたときの値段もワームより高くなります。
ミノーとシンキングペンシルの動きの違いは、ルアーの種類と使い分けの比較表が参考になります。
遠くを探りたいときのフロートリグ
1〜2gのジグヘッドでは届かない沖側を探りたいときに使われるのが、フロートリグです。
道糸に「フロート」と呼ばれる専用の浮き(重さのある飛ばしウキ)を通してサルカンを結び、その先に40〜50cmほどの先糸を付けてジグヘッドをつなぎます。
フロートの重さで遠くまで投げられ、ジグヘッドは軽いままゆっくり漂わせられるのが利点です。
仕掛けが長くなって絡みやすくなるので、まずはジグヘッドだけの釣りに慣れてから試すと扱いやすくなります。
基本は「ゆっくり、同じ速さで巻く」
着水したらすぐに巻き始め、まずは海面のすぐ下を通します。
反応がなければ、着水後に3秒、5秒、10秒と数えてから巻き始め、少しずつ深くしていきます。
ルアーの重みがかすかに手元に伝わる程度の、ゆっくりした速さで巻き続けます。
速さを途中で変えないことで、ルアーが同じ深さを横にまっすぐ泳ぎます。
竿先は海面に近づけ、足元の岸の際までルアーを泳がせます。
メバルは堤防の際や岩の陰に潜んでいることがあり、回収の直前に食いつくこともあります。
「グッ」と重くなったら、慌てて竿をあおらず、巻く速さを保ったまま竿を立てて重みを乗せます。
竿を大きくあおるとルアーが口から抜けやすいので、巻く速さを保ったまま重みを乗せる「巻き合わせ」にすると外れにくくなります。
メバルは掛かると岩や海藻の中へ潜ろうとするので、竿を立てて止まらずに巻き上げます。
冬〜春の夜の堤防で気をつけること
メバリングは、1年でも特に寒い時期の、暗い堤防で行う釣りです。
夜の堤防では、次のことは避けます。
- 暗くなってから、初めての釣り場に入る
- ヘッドライトで海面や周りの釣り人の顔を照らす
- ライフジャケットを着けずに、岸壁の際に立つ
- 濡れた岸壁や、海藻の付いた斜面に降りる
- 立入禁止や夜間閉鎖の掲示、柵を越えて入る
- 1人で、行き先と帰る時間を伝えずに出かける
釣りが認められている場所かどうかは、現地の掲示と管理者の指示に従います。
出かける前には、気象庁の天気予報で風と波の高さを見て、波浪注意報や強風注意報が出ている夜は見送ります。
風が弱くても、沖から長い周期の波(うねり)が入る日は、堤防の際まで波が上がることがあります。
消費者庁は、海上保安庁の令和6年の報告をもとに、釣り中に海に落ちた人の死亡・行方不明の割合を、ライフジャケットを着けていなかった人で約46%、着けていた人で約19%と紹介しています。
冬の夜は、落ちたときに周りから見つけてもらいにくく、水の冷たさも重なります。

暗い時間の転落に備えるライフジャケットの点検のしかたは釣りにライフジャケットは必要?、夜間閉鎖などの掲示の読み方は釣り禁止・立入禁止の見分け方と釣り場のマナーで、出かける前に見ておけます。
冬の夜の服装は、堤防釣りの持ち物と服装チェックリストの冬〜春の重ね着をそのまま使えます。
冷えやすい手先と足元への備えは、冬の堤防釣りで釣れる魚と防寒対策で4つに分けて取り上げています。
常夜灯のない暗い堤防でも釣れますか?
メバルは暗い岩場でも釣れることがあり、常夜灯のない場所を好んで狙う釣り人もいます。
ただ、足元がまったく見えない場所は、段差や水際の位置を見誤りやすくなります。
初めてのうちは、常夜灯があり、柵のある明るい堤防から始めるのが無難です。
1匹目の近くには、仲間が残っていることが多い
メバルは、夜の岩場や海藻のまわりで群れていることがよくある魚です。
1匹釣れた場所から、すぐに移らないのが、数を伸ばす第一歩になります。
反応が止まったら、巻く速さはそのままで、数える秒数だけを2〜3秒長くするか短くして、群れが沈んだのか浮いたのかを確かめます。
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